Smells of Skill

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Name card is not only representing yourself, it’s also telling your life story.
— Baku Osawa

自分業のジャンルに含まれるであろうオーナー兼ソムリエ、オーナー兼パティシエールなど、食をテーマに店舗を構える方々と話す機会があります。店舗展開よりもより濃い個性を表現することで、センスがよい影響力を業界をはじめユーザーへ与える職業であると考えます。オンライン展開とはことなり、しっかりと根が貼った地元客の集客に積極的で、どちらかというと職人肌が多いように見受けられます。そんな彼らの名刺を考えるとき、手先から溢れる技を商品化しながら、どうやって彼らの個性をあの小さな長方形に表現できるかを問い詰め、「立体的な香り」という名刺にたどり着きました。商業的に実現化するまでは時間が掛かるだろうけども、サブの名刺という扱いでも是非採用して頂きたいアイデアであると考えています。

There is an opportunity to talk with people who have stores with food themes, such as owners and sommeliers that will be included in the genre of their own work, and owners and patissieres. By expressing a deeper personality than store development, it is a profession that gives the industry and users a good influence. Unlike the online development, they are aggressive in attracting customers who have firmly rooted local customers. When I thought about such business cards, I commercialized the techniques that overflowed from the hand, asked how I could express their individuality in that small rectangle, and came to the business card called "three-dimensional scent." It will take time until it is commercialized, but it is an idea that you should use sub cards as well.

 
 

ショコラ パティシエール

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ショコラ専門店で制作するパティシエールは、ショコラについては何もかも知り尽くしています。その店内に足を踏み入れた時に香る香ばしい香りは、五感を使って記憶することができるほどです。名刺も必要としないであろう、インパクトが強い内装と佇まいに、多少のアクセントを加えることで、ファンになるお客様の心を掴んでみたいという意図から制作してみました。

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机に並べた白い名刺にラバーセメント(即効性無臭)を塗ってショコラとコーヒーを混ぜた物質を付着させます。逆さにして裏面を叩くことで必要がない物質が落ちてくるので、必要に応じてこの作業を繰り返すと、しっかりと付着して落ちてくることがありません。

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ディテールはこのように立体的に仕上がります。勿論試作段階でもあるので、ムラはありますが、ほんのりと香るショコラが印象的な名刺になりました。

「他店にはない」「どこでもやっていない」ではなく、オリジナリティや独特の雰囲気を演出するという、店舗自体の個性を引き出すための名刺の完成です。

 

6席だけのワインバー

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週末だけ12時間オープンしているソムリエールが経営するワインバー。そのオーナーソムリエールが大好きな飲み方「白」→「赤」→「ロゼ」という流れに沿って、白ワイン、赤ワイン、ロゼを順番に描いて行きます。

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カウンターに置いた小皿にワイン少量を注ぎ、ワイングラスの底をつけてまわします。底についたワインを名刺に付着させることで、円形の輪が出来て行きます。白は流石に台紙に馴染んでしまい消えてしまいますが、良い香りはそのままです。この時は2008年のシャブリを使った記憶が。。。

同じ要領で赤→ロゼと色と香り違いのワインを塗料として絵を描いて行きます。滲んだり曇ったりと、様々なできあがりになるため、手渡した時には3種類のワインの香りと1枚ずつがオリジナルの名刺に完成します。

6席だけのミニマムな空間であっても、初見のお客さんには心地よい印象を残すことは、100席ある大型店舗よりも敏感に伝わると感じています。因みにウイスキーやブランデー、コニャックなんかでも制作可能です。

 

老舗の和菓子三代目

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祖父母から受け継いで高級甘味を創り上げる30代の職人さんと話した時、私の代で途切れてしまわないように、後継者をつけようと思うという相談をうけたときに閃いた、「抹茶香る名刺」。技術の先にある余韻を愉しむ和の心を、名刺サイズに凝縮するとこんなイメージになりますでしょうか?と提案させていただきました。

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毎日数量限定品が多いお菓子だけに、顧客もリピーターばかり。そのありがたいお客様への少しの恩返しとして、職人のライフスタイルの軌跡を紹介した一作になったと思います。

あくまでも語るのは、その職人の人柄。シンプルにそぎ落として、表現の中に押しつけるようなエッジをつけない事に従事しました。

一辺5cmの中に繰り広げる無限とは、本来は自身の中に存在するものであると思っています。ただ、それを表現し発表するとなると、どうしても理論が先行しがちになることが多いです。それらを解き放ったときにこそ、少し輝く新しい個性の多面を垣間見ることができるのではないでしょうか??